研究詳細

熱帯・暖流域における古海洋環境の復元と生態系・多様性進化の解明
A. 貝形虫化石の電子顕微鏡写真(グリッドの長さは約4.5 mm)、 B. インド太平洋暖水塊域(IPWP)と暖流の分布
私は、これまで主にフィールドワークで収集した地質・海洋学的情報と、貝形虫化石(A)などから得た古生物学的情報とを基に、過去の生物相や生物多様性の変遷を解明し、それらの情報に基づき、過去の環境の様相とそれに対する生物の応答を解明することを目的とした研究に取り組んできました。
最近では、インド太平洋暖水塊域とそれをエネルギーの供給源とする暖流域(B)を対象とした研究に取り組んでいます。東インド洋、西太平洋の赤道地域には、インド太平洋暖水塊と呼ばれる地球上で最も表層水温の高い水隗が存在しています。この海域は、太平洋へと北流する黒潮、インド洋へと南流するルーウィン海流を介し、南北両半球へと大量の海水と熱をもたらすことにより、地球規模の気候の形成や変動に大きな影響を与えています。そこでこれらの海域における新生代の古環境変遷と生物相や生物多様性の進化の歴史を包括的に明らかにすることを目的に研究を進めています。

岩谷 北斗

Iwatani Hokuto

研究関連キーワード
  • 系統・進化・多様性
  • 古生態
  • 古環境
  • 古海洋